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一身上の都合により、約二年半お世話になったサムライファクトリーを、12月半ばをもって退職することになりました。
いろいろやり残したことはあるのだけど、最年長グループの一人として、会社を去る前に、なにか後輩たちに残せることがあるとしたら、それは技術的ノウハウよりも、もしかしたら自社サービスの立ち上げ、運用ノウハウなのかもしれない、とか一方的に思い上がってみたので、その辺り書いてみたいです。 さて、かつて「デコログ」(立ち上げ当初は「デコ☆ログ」だった)という、携帯端末向けブログサービスの企画、開発、運用を手がけたことがある。 自分の中では、前の会社での仕事だし、ここまで大きく育ったのは、現在、担当されている方々の並々ならぬ労力の賜物なので、自分の手が離れたあとでアレコレ書くのはなんというか、まあアレなんだけど、サービスの立案から人気に火がつくまでの過程を思い返して綴ることは、もしかしたら、これから新規サービスを立ち上げようとする我が社、そして同じ業界の人たちにとって、それなりに参考になるんじゃないかと思うので、広く読んでもらえたらと思う。 とはいえ、もしかしたら、いろいろなアレで、書かれたら困るという人もいるかもしれないし、書くなというなら、すぐ消しますんで、ご一報を。 「デコログ」をリリースする前、当時まだまだTwitterが国内ではさほど話題になっていなかった頃、ブログよりももっと、気軽に今の自分の気持ちやステータスを投稿できるサービスがあったらいいんじゃないか、ということで、いわゆるミニブログサービスである「acbi」を企画、リリースした。 たしかβ版は一日で作って、こんなのどうよ? ということで、社内のメンバーだけで楽しんでいたと思う(ちなみに、β版のコードネームは「薔薇族」だった)。 それが、これいいね、おもしろいじゃん、と事業化することになったのだが、まあ、機能が単純なだけに、あれこれ体裁を整えたり、規約など法務的な面やプレスリリースの準備が必要だったとしても、せいぜいひと月もあればリリースできたはずだった。 だが、いろいろ皆でいじっていると、ああいう機能もつけたい、こういう機能もつけたいと欲が出てきて、なんだかんだで、後から後からゴテゴテと機能を盛り込んでいくうちに、当初のリリース予定日を大幅に超え、二ヶ月遅れでリリースすることとなった。 それだけ練りに練って、思い入れがあったサービスにもかかわらず、リリース後は鳴かず飛ばず。 どうやら、あまりに機能過多となりすぎて、「じゃあいったいサービスの売りはいったい何?」と、サービスコンセプトが埋もれてしまい、ユーザも戸惑ってしまったのが原因じゃないかと。 しかも、度重なる仕様追加や変更で、開発者(つまり僕です)が疲弊しきってしまい、正直、リリース後に引き続き改修していく体力・精神力が残っていなかった。 リリース後、一、二ヶ月が経ち(2006年暮れ)、まあこれは失敗だったな、というのは社内でもなんとなくわかってきていたんじゃないかと思う。 そんな心の傷を癒すためだかなんだかわからないけど、社長は個人的にリフレッシュすべく、クリスマス前から正月明けまで、ハワイへと長期休暇に旅立ってしまった。 で、自分は日本に残されるわけだが、その間ボンヤリしているわけにもいかないので、ハワイ出発直前、社長に、次の新規サービスどうしましょうねぇ、と話をしたところ、なにかアイデアないですかというので、以前に勤めていた会社でくぁwせdrftgyふじこlp(スミマセン、ここ、書くとマジで命が危ないので……) で、じゃあ、それ作っておいてくださいと言われ、一週間で作ったが「デコ☆ログ」だった。 そして社長がハワイから帰国後、まあ、前回の「acbi」の反省点、「リリース前にひとりよがりでサービスを大きく膨らませ過ぎると、ロクなことがない」、つまり、 ユーザに一番伝えたいこと(コンセプト、機能)はできるかぎり明確、シンプルに。 開発者は自身の企画に自信と責任を持ち、リリースに向けて開発モチベーションを高めていっている。 を肝に銘じ、とにかく、はてなのjkondo氏の提唱する「50%リリース」を合言葉に、「デコ☆ログ」(ちなみにコードネームは「豆腐」だった)は企画から、ひと月という単スパンでリリースされた。 当然ながら、リリース当初(2007年2月)は、ほんとうにシンプルな機能、記事の投稿・コメント機能程度のみだった。 だが、その代わり、これからおっきく育てるぞ! というモチベーションの高さと体力だけは、有り余るほどあった。 つづく(クレームが入らなければ……) PR |
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