ジョンとの商談は失敗に終わった。

あきらかにオレのミスだ。

が、ジョンも手ぶらで日本に帰すのは悪いと思ったのだろう。
社屋の一階にある土産物コーナーに行けば、なにかジェット機の代わりになるものがあるかもしれない、と教えてくれた。

応接室を後にし、エレベーターで一階に向かう。

土産物コーナーに入ると、ボーイソグ社のグッズが多数揃っていた。

どれにするか小一時間ほど迷ったあげく、
『Smoked Baby Boeisog』（子ジェット機の燻製の缶詰）
『[Boeisog method] English word 1500 [CD]』（ボーイソグ式・試験に出る英単語1500 CD版）
『The black history of Boeisog for mothers and children』（母と子で読むボーイソグ社の黒い歴史）
そして、本物のジェット機には遠く及ばないが、全長30cmほどの『737型ジェット機プラモデル』を購入した。

目的を果たせなかった今、これ以上シアトルに滞在する理由もない。
オレはタコマ空港に電話をかけ、専用ジェット機を手配し、日本へと帰ってきた。

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